霧に烟る高尾山
台風の跡も荒々しい1号路を
傘を杖に
一歩一歩,
一歩,
一歩
視界が開け
展望台
眼を上げると霧の中に満開のサクラ
白い花,桃色の花
ここだけはすっかり春の装い
霧雨の舞う参道は冷たく
閑散として
行き交う人も肩をすぼめて
薬王院も霧に隠れ
ホラ貝が霧の中から
呼びかけている
何を祈るか
神前に佇む人
どこにも
賑わいはなく
山門からは
木々が黒々と霧に浮かぶ
霧雨に降られ麓に降りると
麓の有喜堂喫茶室を独占
参道を行き交う人もなく
雨に濡れた寂しげな道があるだけ
先週の賑わいが嘘のよう