「三体」 話題のSF小説 劉慈欣著

中国・劉慈欣の衝撃のSF小説「三体」を読みました.三部作の一作目で舞台が2つあります.1つは文革期から今日までの中国.もう1つは三体星人の住む3つの太陽をめぐる惑星です.

 

主役は2人で,1人は文革期に父を殺害され,自身も反革命として迫害され,母親は文革派,妹は紅衛兵と家族が分断された天体物理学者の葉文潔.もう1人はナノマテリアル研究者の汪淼.

三体星人の住む惑星はαケンタウリ・3重星を太陽とする惑星で,三重星であることから動きが読めず(天体力学の三体問題で一般的には解がない)安定期,灼熱の世界,極寒の世界が不定期に繰り返され,200回に及ぶ文明の滅亡と再興が繰り返され,とうとう三体星人の住む惑星が遠くない将来,三体星人の太陽に飲み込まれる事態になっています.移住先を探しています.ついに移住先として地球を見つけ,第一陣が出発.地球人と共存出来ないと考えている.

なおαケンタウリは実際にある星ですが,αケンタウリA,Bと少し離れたところにあるC(プロキシマ・ケンタウリ)の三重星で,惑星はプロキシマbで生命は住めないと考えられています.

 

物理学の話が盛りだくさんで難しいのですが,知性を持った陽子兵器(2個の陽子を地球に送り込み,物理研究を混乱させます)など引き込まれます.今年夏には続編が出るので楽しみです.